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乾杯で喜びを表す岩根さん
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第44回木村伊兵衛写真賞授賞式
「KIPUKA」「FUKUSHIMA ONDO」で岩根 愛さんが受賞 -
写真集「KIPUKA」から
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福島の盆踊りが会場を盛り上げた
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4月24日、如水会館(東京・千代田区)で第44回 木村伊兵衛写真賞の授賞式が行われた。受賞したのは写真家の岩根 愛さん。対象となった作品は、写真集「KIPUKA」並びに展示「FUKUSHIMA ONDO」。
岩根さんは1991年に渡米し、ペトロリアハイスクールに留学。帰国後はカメラマンアシスタントを経て96年に独立。雑誌やCDジャケットなどの撮影多数。また、独自のコミュニティーを取材するなど多彩な活動を展開してきた。今回の受賞作である「KIPUKA」は2006年に初めて行ったハワイで出会った墓地をきっかけに撮り始めたもの。日系人が住んでいた町で出会ったお墓からハワイ移民の足跡を追った。さらに、盆唄のフクシマオンドをハワイに伝えた家族の古い写真とも出会い、撮り進めていったものが展示「FUKUSHIMA ONDO」に結実した。
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選考委員は写真家の石内都さん、鈴木理策さん、ホンマタカシさんと作家の平野啓一郎さんの4人。2018年に発表された写真作品の中から推薦された270あまりの作品を40作品に絞り、さらに選考委員によりノミネート作品6作が選ばれ、最終選考の結果今回の受賞作が決定した。選考委員の石内さんは「初めて見る、私の知らない歴史を目に見えるかたちにとらえた作品。今回のノミネート作の中で断トツの存在感を示した。あまり悩まずにすんなり決まった」と語った。
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受賞作の展示は4月23日~5月2日まで
ニコンプラザ新宿 THE GALLERY1で、
6月13~19日にはニコンプラザ大阪 THE GALLERYで
開催される。また写真集「KIPUKA」は青幻舎から発売されている。
TEXT=高畠 保春