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  • 富士フイルム『X-half』登場
    フィルムの感覚をデジタルで再現する一台


新製品体験会では女優の内田理央さんが登場。手に持っているのが新型カメラ『X-half』だ。


2025年5月22日、富士フイルム「Xシリーズ」の最新モデル『X-half(製品名:FUJIFILM X-HF1)』が発表された。PASHA STYLE編集部では、新製品体験会に参加し、実機に触れてきました。

今回登場した『X-half』は、1963年発売の「FUJICA Half」にも通じる、ハーフサイズカメラをモチーフにした製品で、富士フイルムならではのフィルム体験をデジタルで再構築・進化させた、富士フイルムにしか作れない意欲作である。




『X-half』のカラーバリエーションはシルバー(写真上)、ブラック(写真左下)、チャコールシルバー(写真右下)の3色。



体験会では、女優の内田理央さんと写真家の増田彩来さんによるトークセッションも実施された。フィルムカメラを愛用する増田さんが実際に『X-half』で撮影した内田さんの写真を披露しながら、フィルムの魅力や『X-half』ならではの撮影体験について語り合うひとときとなった。

『X-half』の最大の特徴は、3:4という縦構図に最適化されたアスペクト比にある。現在主流の3:2や16:9といった横長基準とは異なり、本機は縦構図を前提に設計されている。背面液晶や縦型の光学ファインダーも縦位置での撮影に適した配置がなされており、スマートフォン以降の撮影感覚とも親和性が高い。

さらに、2枚の縦構図写真を1つの画像として構成できる「2in1」機能を搭載しており、組写真によるストーリーテリングが直感的に行える点も大きな魅力である。



 


 


撮影した写真を見ながら写真家の増田彩来さんと女優の内田理央さんが『X-half』の魅力を語っておりました。


フィルムカメラのような仕上がりになる『X-half』は、フィルムカメラを愛用する増田さんのスタイルにもベストマッチ。2枚の縦構図の写真を1つの画像として保存できる「2in1」機能も搭載されている。静止画と動画の組み合わせも可能。






『X-half』には、富士フイルムのデジカメの代名詞とも言える13種類の「フィルムシミュレーション」が搭載されており、「PROVIA」、「Velvia」や「REALA ACE」など、多彩な色調表現が可能。さらに、フィルムカメラ特有の偶然性を再現した「ライトリーク」「ハレーション」「期限切れフィルム」などのフィルム世代には懐かしく、若者には新鮮なフィルム体験ができるエフェクトが用意されている点もポイント。

 


 


 


背面モニターの横には選択しているフィルムシミュレーションが表示される。ちゃんとフィルムのパトローネ同じ見え方になっているのが嬉しい。

フィルムカメラの体験ができるエフェクトも用意されている。写真はライトリーク。画像再生時にしかエフェクト効果が見られないのもポイント。

「期限切れフィルム」は使用期限を過ぎたフィルムを使うと発色しない色表現を再現したモード。G(グリーン)、R(レッド)、N(ニュートラル)の3タイプが用意されている。





 

とりわけ注目すべきは「フィルムカメラモード」である。このモードでは、設定した枚数(36/54/72枚)を撮影し終えるまで、画像の確認ができない仕様となっている。シャッターを切るたびに軍艦部のレバーを操作し、次の一枚へ進む。まるでフィルムを巻き送るような動作とともに、現像を待つあの頃のワクワク感がデジタルで再現されている。

 


 


 


「フィルムカメラモード」を背面液晶から設定すると巻き上げレバーを倒してシャッターを切るフィルムカメラのような体験を楽しめる。ちなみに設定した枚数を撮影するまで再生ができないのがポイント。

フィルムカメラ同様に設定した枚数を取り終わるまで、フィルムシミュレーションを変えることができない。スタンダードなPROCVIAからビビッドなVelviaなどモノクロのACROSなど合計13種類が設定できる。
フィルムシミュレーションを選択したら、36/54/72の中から枚数を選んで撮影。基本的に規定枚数を撮り終わらないと撮影した画像を確認することができない。





 

搭載されるレンズは35mm換算で32mm F2.8。これは「写ルンです」と同等の画角であり、誰もが扱いやすいスナップ向けの距離感である。カメラ自体の重さは240gと軽量なボディで、常に携帯していたくなるサイズ感となっている。外装はクラシックカメラを彷彿とさせるデザインでまとめられ、フレーム切り替えレバーや絞りリングの操作感は、アナログ操作の愉しさを思い出させてくれる。

 


 


カメラの大きさは手のひらに載るぐらいの105.8×64.3×45.8mm(幅×高さ×奥行き)。重さは240gと超京葉なので常に携帯するのにちょうどいい感じ。


背面には2つの表示部を用意。デジカメのモニターというと横長のイメージだが、今回のカメラはハーフがモチーフとなっているのでアスペクト比3:4のモニターが搭載されている。



 


 


レンズはレンズ付フィルム「写ルンです」と同じ焦点距離の35mm判換算32mmF2.8の単焦点レンズを搭載している。
本体横にはLEDを瞬間光として発行できるようにするスイッチを搭載。スチール撮影時は瞬間光、動画撮影時は定常光としてLEDライトを使うことができる。
レンズの右上にある白い部分がLEDライト。光量の調整など細かな調整はできないがちょっと明るくしたい時に重宝する機能。






FUJIFILM X-HF1(愛称:X-half

【主な仕様】

有効画素数:約1774万画素

センサー:13.3mm×8.8mm1 inchサイズ)原色フィルター採用

記録メディア:SDSDHCSDXC

レンズ:フジノン単焦点レンズf=10.8mm35mm判換算:約32mm相当)

開放F値:F2.8

レンズ構成:56枚(非球面3枚)

絞り:F2.8F11 1/3EVステップ(3枚羽根)

最短撮影距離:約0.1m(レンズ先端から)

内蔵フラッシュ:固定式LED

静止画ファイル形式: JPEG

液晶モニター:2.4型タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター

アスペクト比:4:3

ドット数:約92万ドット

ファインダー:OVF逆ガリレオ式ファインダー

視野率:約90

ファインダー倍率:約0.38

動画ファイル形式:MOVMP4

サイズ(幅×高さ×奥行き):105.8×64.3×45.8mm(最薄部30.0mm

重量:約240g(バッテリーおよびメモリーカードを含む)

カラー:ブラック、シルバー、チャコールシルバー

価格:オープン

発売日:20256月下旬予定

 

 

 

 

TEXT:SATO TAKESHI