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舞山秀一 作品展『BOTANIZATION』で
作品の魅力を伺いました
オリンピックが始まる前の喧騒の中、銀座の一等地Sony Imaging Galleryで開催中の舞山秀一さんの作品展『BOTANIZATION』を拝見してきました。
舞山秀一さんは広告・雑誌・音楽などポートレートを中心に活躍を続け、PASHA STYLEではポートレートナビゲーターとしてお世話になっています。
撮影の場所は舞山さんがよく訪れる調整池、そこでは大雨のたびに水が溢れ、水が引くとまた草花が育ち破壊と再生を繰り返す土地、モノクロ撮影は男性モデルの岩崎拓馬さん、カラー撮影は女性モデルは横山エリカさんと、モノクロとカラー、男と女、破壊と再生、と対比と融合を感じさせる展示となっている。
会場に入ると岩崎拓馬さんモデルのモノクロ写真が並ぶ、フライヤーにも使われている草の合間に見える腕の写真。
ボディペイントはその場のインスピレーションで描いてもらったそうです。
まるで此岸と彼岸の境を彷徨っているようでした。
中盤からは横山エリカさんがモデルのカラー写真に、草原に寝そべる女性の上から枯れ葉が舞い、その周りには包み込むように新たに芽生えた草が生い茂る。
そして光が降り注ぎ草花が咲き乱れる中、横たわる女性の作品は生と死が同居している。
それは生命の営みへの賛歌であり、眺めていて安らぎを覚えました。
舞山秀一さんの作品は、おしゃれでそれでいて品が有り、生と死を繰り返し生命を育む地球の悠久なる時の流れとやさしく包み込む慈愛と抱擁力に満ちていると思いました。
暑い夏にさわやかな春のやすらぎを感じる作品展、舞山秀一さんのやさしさに満ちた作品は一服の清涼剤になるでしょう。
●コメント
撮影にあたって事前に絵コンテを描いてある程度イメージしているが、その場の雰囲気で感情に委ねて撮影することも大切にしています。
映画のワンシーンのようにテーマがあることを意識し、作品を見て物語が思い浮かぶような、そして絵として美しい作品を作るようにしています。
僕の作品には1枚1枚それぞれ音楽が流れています、ぜひ会場に足を運び間近で作品を眺めて感じとってください。
●最後に舞山さんからPASHA STYLE読者へアドバイスをいただきました
コンセプトをしっかりして、クリエイティブや自己表現を大切にするとよいでしょう。
スタジオ撮影など事前にロケハンできない場合は、現地に着いてモデルさんが準備している間にスタジオを見て回り、他に人がいれば立ってもらい仮撮影をするとスムーズに撮影ができます。
事前にストーリーを作っておくことが望ましいが、その場のイメージでもいいので、ある程度ストーリーを考えて撮影をすると作品を展示するときに組み写真を作りやすいと思います。
展示については全体のバランスを考えて作品を選ぶことが大切です。
写真は記録物として必要不可欠であるが、スマホが普及して誰もが写真を撮れるようになりました、今後の写真のもう一つの方向性は面白いことや発想ができること、クリエイティブな写真を撮ることです。
人との違いを磨いて独創性のある写真を撮ってください。
【プロフィール】 舞山秀一 PASHA STYLEポートレートナビゲーター 1962年、福岡県生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。半沢克夫氏に師事後、1986年独立。100を超える雑誌表紙を担当し、広告や写真集、CDジャケットも数多く手がける。同時に作家として作品集の出版や写真展の開催を定期的に行なっている。2014年より九州産業大学芸術学部客員教授就任。 site:www.maiyama.net twitter:@hide0107 instagram:@hidemaimai facebook:https://www.facebook.com/maiyama |